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使い捨てない紙コップ / 紙皿
陶磁器というメディア

2016年7月、フランスではスーパーのレジ袋が廃止されました。また2020年1月にはプラスチック製食器の廃止が決定。 フランスで廃棄される使い捨てカップは毎秒150個、年間では47億3000万個に上るとされています。波佐見町は陶磁器の一大産地として、これからの環境と生産について新しい提案が必要だと考えています。

大量消費社会が作り出した「使い捨てる文化」は、まるで世界が生まれた時からそうであったかのように、人々の生活に浸透してしまいました。しかし、多くの人が今この生活に疑問を感じ始めています。使い捨てない紙コップ / 紙皿は、焼き物を通して使い捨てる文化に向き合う機会を提供するプロダクトです。

2000年以降、工業・サービス社会から知識社会へと大きな社会構造の遷移によって、知識や創造性によって経済活動を行う人々の経済に占める割合は都市部で30%を超えました。日常的に多様な情報に触れる知識労働者は、実社会と理想社会の矛盾に違和感を感じ、菜食主義やフェミニズムなど価値観の転換を図ろうとしています。

人々が物を所有することではなく、体験・価値観・思想などより本質的なライフスタイルの変化を求めるようになった今、焼き物を単なる道具としてではなく、これから大事にしていくべき価値観を運ぶメディアとして考える視点が必要です。

東京展・京都展では多くの方々からの好意的な反響を得られました。使い捨てない紙コップ / 紙皿という環境意識を高める焼き物の展開を皮切りに、現代に必要なライフスタイルを提案するメディアとして、これからの陶磁器を考えます。